JIS B 1256(平座金の旧JIS・現行7種類)|呼称の違いと選び方

JIS B 1256の丸形平座金と旧JIS・現行7種類・選び方を示すアイキャッチ

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JIS B 1256:2008

状態

有効

正式名称

平座金

ICS

21.060.30

発行日

2008-03-20

直近の確認日

2022-10-20

正誤票

本記事の公開時点で、JSAの現行規格ページ上ではJIS B 1256:2008の正誤票・訂正票の掲載を確認できません。JSAの正誤票一覧でB 1256として確認できる掲載は、1998版の2002/06正誤票です。

記事情報確認日

本記事の公開時点

平座金は、ボルト・小ねじ・ナットと組み合わせて使う、基本的に平らな座金です。JIS B 1256を調べるときに難しいのは、古い図面や市場で残る「みがき丸」「並丸」「小形丸」「JIS」「ISO」といった呼び方と、現行規格の正式種類が混在していることです。

規格情報カードの「直近の確認日」は読み違えやすい項目です。2022-10-20は2022年版の発行日ではなく、法に基づく見直しでJIS B 1256:2008をそのまま存続させることを確認した年月日です。年版として参照する場合はJIS B 1256:2008と区別します。

この記事は、設計・品質・調達の実務者に向けて、呼び方だけで同じ品物と決めつけず、年版、正式種類、呼び径、部品等級、硬さ、材料、表面処理を分けて確認できるようにすることを目的に整理しています。

このページの内容

JIS B 1256を30秒で分かる:平座金の現行規格と確認ポイント

JIS B 1256の現行確認対象はJIS B 1256:2008「平座金」です。一般用のボルト・小ねじ・ナットに使う、鋼製・ステンレス鋼製の丸形平座金を扱います。

最初に押さえるポイントは次の5つです。

  • 「みがき丸」「並丸」「小形丸」などの旧来の呼称を、現行の小形・並形などへ自動的に置き換えない。
  • 現行規格では、小形A、並形A、並形面取りA、並形C、大形A、大形C、特大形Cの7種類を区別する。
  • 同じ呼び径でも、系列が違えば外径や厚さが同じとは限らない。
  • 部品等級A/C(寸法公差などに関係する製品区分)、硬さ、材料、表面処理は、それぞれ別の仕様軸として確認する。
  • 旧図面や発注仕様では、年版と図面寸法を確認したうえで正式規格へ戻り、必要に応じてJIS B 1250やJIS B 1022も確認する。

JIS B 1256:2008は何を定める平座金の規格か

JIS B 1256:2008は、一般用のボルト・小ねじ・ナットに使用する、鋼製またはステンレス鋼製の丸形平座金を扱う規格です。角座金など丸形でない座金まで一括して扱う規格ではないため、規格番号と対象形状を分けて確認します。

注意したいのは、「平座金」という名前だけでは仕様が決まらないことです。現行規格では複数の種類があり、種類名の中に外径系列、面取りの有無、部品等級A/Cといった違いが組み合わされています。さらに材料や硬さ、表面処理も別に確認する必要があります。

したがって、図面や購入仕様でJIS B 1256と呼び径だけが書かれていても、実務上はそれだけで製品を一意に決めたとは扱いません。種類や仕様軸まで確認するのが安全です。

旧JISの「みがき丸・並丸・小形丸」と現行種類は同じか

同じとは扱いません。旧版由来の呼称や市場の商品名と、現行JIS B 1256の正式種類名は分けて確認する必要があります。

JIS B 1256の1963・1978・1998・2008の版と旧呼称・現行種類の関係を整理した図
旧呼称は現行種類へ自動置換せず、年版と図面寸法を確認する

B 1256には1963年、1978年、1998年、2008年という改正の節目があります。2008年改正では、1998版の附属書1がJIS B 1250として独立しました。現在参照する年版はJIS B 1256:2008です。

また、販売事業者にはJISを1963年版由来、ISOを1978年版由来の呼称として区別する例がありますが、これらは現行B 1256の正式な種類名ではありません。商品名にJISやISOと書かれているだけで、現行規格のどの種類に該当するかを判断しないようにします。

「みがき丸/ミガキ丸」も現行7種類の正式名称ではなく、旧版由来の流通呼称として使われる例があります。「並丸」は現行の正式系列名並形と機械的に同義化できません。検索語では「小型 丸」という表記も見かけますが、旧版資料で現れる小形丸、現行系列の小形とは別に整理し、表記だけで規格種類を決めないようにします。

M10の限定例で見る新旧の違い

M10の限定例で見ると、内径×外径×厚さは、1963年版由来の「みがき丸」で10.5×22×1.6 mm、1978年版由来の「みがき丸」で10.5×21×2 mm、現行2008年版の「並形A」で10.5×20×2 mmです。

これは旧呼称と現行種類の一対一対応を示すものではありません。同じM10でも、年版・呼称・正式種類によって外径や厚さが変わり得ることを示す限定例です。全呼び径、許容差、全種類へ一般化せず、旧図面では呼称だけで置き換えずに年版と実際の図面寸法を確認してください。

なお、1998版の附属書1は2008年改正時にJIS B 1250として独立しています。新旧を確認するときは、寸法差だけでなく規格の構成が変わっている点にも注意が必要です。

小形・並形・大形・特大形は何で区別するか

現行JIS B 1256では、7種類を外径系列、面取り、部品等級A/Cの組み合わせとして見ると整理しやすくなります。呼び径だけでは種類を特定できません。

JIS B 1256の7種類を外径系列・面取り・部品等級A/Cで整理した図
現行7種類は、系列・面取り・部品等級を分けて確認する

7種類を系列・特徴と部品等級で並べると、次のようになります。

現行種類系列・特徴部品等級
小形A小形系列A
並形A並形系列A
並形面取りA並形系列・面取りありA
並形C並形系列C
大形A大形系列A
大形C大形系列C
特大形C特大形系列C

スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。

寸法を見るときは、内径、外径、厚さを別々に確認します。系列は主に外径系列の違いとして捉えますが、同じ呼び径でも系列が変われば外径などが同一とは限りません。

部品等級A/Cは何を区別するか

部品等級A/Cは、寸法公差などに関係する製品区分です。材料名でも、硬さ区分そのものでもありません。

現行7種類では、Aが小形A・並形A・並形面取りA・大形A、Cが並形C・大形C・特大形Cとして種類名に組み込まれています。

このため、「Aだから鋼」「Cだから100 HV」というように、一つの文字だけで材料や硬さまでまとめて判断しません。部品等級、材料、硬さを別の欄として扱うのが基本です。詳細な公差は正式規格や関連規格で確認します。

並形と大形の違いはどの寸法軸で見るか

並形と大形は、主に外径系列の違いとして確認します。M10・部品等級Aの限定例では、内径基本値が同じでも外径と厚さに差があります。

M10・部品等級Aの限定例内径基本値外径基本値厚さ基本値
並形A10.5 mm20 mm2 mm
大形A10.5 mm30 mm2.5 mm

スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。

この例では、大形Aの方が外径と厚さが大きくなっています。大形には、軟らかい被締結部材や大きいボルト穴で検討される用途意図があります。ただし、大きい穴に使うから大形を選べばよいと単純化せず、厚さを含めた仕様を正式規格と図面で確認します。

この数値はM10・部品等級Aの代表例であり、他の呼び径や許容差の代わりにはなりません。

JIS B 1256の材質・硬さ・表面処理はどう確認するか

材質だけを決めても平座金の仕様は決まりません。材料、部品等級、硬さ、表面処理を別々の仕様軸として確認します。

JIS B 1256で材料・部品等級・硬さ・表面処理を別々に確認する関係図
材質だけで平座金の仕様は決まらない

4つの仕様軸で確認する内容は、次のとおりです。

仕様軸確認する内容
材料規格の対象として鋼・ステンレス鋼が現れる。母材を確認する
部品等級A/C。寸法公差などに関係する製品区分として確認する
硬さ100 HV、200 HV、300 HVの区分と、組み合わせる締結部品の条件を確認する
表面処理母材とは別に、処理の有無・種類・受渡条件を確認する

硬さ区分については、JIS B 1256:2008が対応関係を持つISO 7089~7094の2000年版公式概要で、A系に200 HV/300 HV、C系に100 HVの区分と、組み合わせる締結部品の条件が示されています。ここで整理するのは、JIS B 1256:2008の理解に使う対応ISO 2000年版の情報です。将来のISO改訂版や改訂中案の要求を示すものではありません。

種類群ごとの硬さ区分と、示されている締結部品の条件は次のとおりです。

種類群硬さ区分対応ISO 2000年版の公式概要で示される主な締結部品条件
小形A、並形A、並形面取りA、大形A200 HV主に8.8級までの鋼製締結部品、または同等組成のステンレス鋼製締結部品
小形A、並形A、並形面取りA、大形A300 HV主に10.9級までの鋼製締結部品
並形C、大形C、特大形C100 HV主に部品等級Cで6.8級までの鋼製締結部品

スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。

注意

この表だけで個別製品の適合や締結設計の妥当性を判断するものではありません。特殊条件や個別製品では、正式規格、図面、購入仕様を照合します。

表面処理も材料とは別に扱います。鋼製品では電気めっきや亜鉛フレーク皮膜に関連する規格がありますが、具体的な処理条件はJIS B 1256だけで決めず、関連規格と受渡仕様を含めて確認します。

図面・発注前に何を確認すればよいか

旧呼称や呼び径だけで置き換えるのではなく、年版から証跡まで順番に確認すると、図面・発注・受入の食い違いを減らしやすくなります。

旧図面や発注仕様からJIS B 1256の現行仕様を確認する5段階フロー
本文の8つの確認項目を5つの確認フェーズにまとめた概略図。旧呼称だけで置換せず、年版・寸法・正式規格を順に照合する

図は、下の8項目を「年版・正式種類・呼び径/寸法・仕様軸・正式規格/証跡」の5つの確認フェーズにまとめた概要です。次の手順はJISが定める公式手順ではなく、旧図面や購入仕様を確認するときの実務上の整理です。

  1. 規格番号と年版を確認するJIS B 1256だけでなく、図面や仕様書がどの年版を前提にしているかを確認します。
  2. 正式種類を確認する小形A、並形A、並形面取りA、並形C、大形A、大形C、特大形Cのどれかを確認します。旧呼称しかない場合は、そのまま現行名へ置き換えません。
  3. 呼び径・必要寸法と使用条件を確認する内径、外径、厚さに加え、相手材、ボルト穴径、必要な座面の広さを分けて確認します。呼び径が同じでも、系列や年版が違えば同じ寸法とは限りません。大形は軟らかい相手材や大きいボルト穴で候補になり得ますが、必要座面と厚さを含めて判断します。
  4. 部品等級と硬さを確認するA/Cと、100 HV・200 HV・300 HVを別に確認し、組み合わせる締結部品の強度・材料条件も確認します。
  5. 材料と表面処理を確認する鋼かステンレス鋼かという母材と、表面処理の仕様を分けて確認します。
  6. 関連図面・購入仕様を確認する社内図面、購入仕様、包装表示、メーカー資料などで、発注対象と規格上の指定が一致しているかを確認します。
  7. 関連規格を確認するB 1256本体外の基準寸法が必要ならJIS B 1250、公差の確認が必要ならJIS B 1022へ接続します。
  8. 必要な証跡を残す使用した年版、図面番号、購入仕様、正式規格の確認結果など、後から判断根拠を追える形にします。

JIS B 1256とJIS B 1250・B 1022はどう使い分けるか

JIS B 1256だけで、平座金に関するすべての寸法や公差を完結させるものではありません。製品種類・仕様、基準寸法体系、公差の確認先を分けて考えます。

JIS B 1256・JIS B 1250・JIS B 1022の確認役割を整理した図
B 1256本体外の寸法や公差は関連規格も確認する

3つの規格の役割は、次のように整理できます。

2008年改正では、1998版の附属書1がJIS B 1250として独立しました。旧図面や古い資料を現行体系へ読み替えるときは、B 1256だけを見るのではなく、必要な確認内容に応じてB 1250やB 1022へ進みます。

公式情報と現行版をどこで確認するか

現行版、状態、発行日、確認年月日、正誤票などは、JSAやJISCの公式一次情報へ戻って確認します。

  • JSAのJIS B 1256:2008規格ページで、現行表示、状態、発行・確認日、ICS、購入情報を確認します。
  • JISCのJIS検索は、規格番号・名称から公式JISを探す入口です。規格番号検索ではB1256のように空白を入れず検索します。
  • JSAの正誤票一覧で、対象年版に対する掲載状況を確認します。

本記事の公開時点で、JSAの現行規格ページ上ではJIS B 1256:2008の正誤票・訂正票の掲載を確認できません。JSAの正誤票一覧でB 1256として確認できる掲載はJIS B 1256:1998の2002/06正誤票です。旧版の正誤票を現行2008版へそのまま適用しないようにします。

完全なリンク一覧は、記事末尾の「公式情報・参考資料」にまとめています。

担当別に次に何をするか

同じJIS B 1256でも、担当によって最初に見るべき資料と残すべき証跡は異なります。規格概要を繰り返すのではなく、実務上の確認対象を分けます。

担当最初に確認すること次の行動・残す証跡
設計年版、正式種類、呼び径、内径・外径・厚さ、部品等級、硬さ、材料、表面処理図面・仕様書へ必要項目を明記し、正式規格・関連規格の確認根拠を残す
調達図面・購入仕様と、仕入先の商品呼称・仕様の一致旧呼称だけで発注せず、年版・種類・寸法・材料・表面処理を発注条件として照合する
品質・受入図面、購入仕様、包装表示、受入対象の仕様A/C、硬さ、材料、表面処理を別項目で照合し、必要な証明・記録を保管する

スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。

まとめ:旧呼称ではなく年版・種類・仕様軸で確認する

JIS B 1256を実務で使うときは、次の3点を押さえると整理しやすくなります。

  • みがき丸、並丸、小形丸などの旧呼称を、現行の種類名へそのまま置き換えない。
  • 現行7種類を、系列・面取り・部品等級で区別し、必要な寸法は内径・外径・厚さに分けて確認する。
  • 部品等級、硬さ、材料、表面処理を別々に指定し、最終的には正式規格、図面、購入仕様、関連規格へ戻って確認する。

旧図面や市場呼称から現行品へ読み替えるときほど、呼び方ではなく、年版・正式種類・図面寸法・仕様軸・正式規格の順で確認することが大切です。

公式情報・参考資料

公式情報

補足資料

※本記事の内容と参考資料の確認状況は、記事の公開時点のものです。本記事は規格本文の代替や個別製品の適合判定を目的としたものではありません。正確な要求事項、寸法、公差、適用条件は必ず最新の正式規格と個別の図面・購入仕様で確認してください。詳しくは免責事項をご確認ください。

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