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JIS B 1181:2014
状態
有効
正式名称
六角ナット
ICS
21.060.20
発行日
2014-04-21
直近の確認日
2019-10-21
正誤票
JSA現行ページの正誤票・訂正票欄に個別表示なし
記事情報確認日
本記事の公開時点
JIS B 1181は、六角ナットを扱う日本産業規格です。ただし、図面や購買仕様に「JIS B 1181」「1種」「style 1」「M20」などの表記があっても、それだけで必要な仕様がすべて決まるとは限りません。
実務でまず必要なのは、本体規格品か附属書品かを分けることです。そのうえで、本体側のスタイル表記または附属書側の種類、ねじ条件、寸法、強度区分、材質などを順に確認します。
JIS B 1181を30秒で分かる:六角ナット規格の全体像
JIS B 1181:2014は、鋼製、ステンレス鋼製、非鉄金属製の六角ナットを扱う規格です。
確認するときは、規格番号だけを見て判断しません。本体規格か附属書か、本体側のスタイル表記または附属書側の種類、呼び径・ピッチ、寸法、強度区分、材質を分けて見ます。
要点は次の5つです。
- 本体規格品と附属書品は、同じ規格番号の中でも呼称・寸法・強度の確認体系が同一ではない。
- 本体側のスタイル表記と、附属書JA側の1種・2種・3種を番号だけで対応させない。
- 寸法値を見る前に、本体/附属書、style/種類、呼び径・ピッチを確定する。
- 強度区分、材質、部品等級、表面処理は、それぞれ確認対象が異なる。
- 個別の寸法、公差、保証荷重等が必要な場合は、対象仕様を特定して正式な規格票・機械的性質規格へ戻る。
JIS B 1181の本体規格と附属書JA・JBは何が違う?
JIS B 1181では、本体規格品はISO系のstyle体系、附属書側は国内従来の「○種」体系として整理されます。違いは呼称だけではありません。寸法体系や強度区分の表し方も同一ではないため、最初にどちらを見ているかを確定します。
現行のJIS B 1181:2014には附属書JA・JBが存在します。一方、業界団体は将来改正で附属書を廃止する方針を示しています。これは、現行2014年版ですでに廃止されたという意味ではありません。現行状態と将来方針は分けて判断します。

両者の違いは、呼称、寸法体系、強度表記、実務上の扱いという4つの軸で整理できます。
| 比較軸 | 本体規格品 | 附属書品 |
|---|---|---|
| 呼称 | style 1、style 2、style 0など | 1種、2種、3種など |
| 寸法体系 | 本体側の寸法体系で確認 | 国内従来体系として確認 |
| 強度表記 | 現行ISO 898-2側の鋼製ナットの例では04・05・5・6・8・10・12 | 附属書JBでは4T・5T・6T・8T・10T |
| 実務上の扱い | 新規設計で第一候補として検討 | 既存図面・互換性・調達条件を確認して扱う |
スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。
名称だけから一対一に置き換えることはできません。新規設計、既存品、置換では次のように考えます。
- 新規設計本体規格品を第一候補として検討します。
- 既存図面・既存製品現在の指定が本体か附属書かを確認します。
- 置換・切替寸法、強度、ねじ条件、相手部品、調達条件まで照合します。
日本ねじ工業協会の切替ガイドは、附属書品から本体規格品への切替を推奨しています。ただし、附属書品の使用禁止を意味するものではありません。新規設計や切替時の業界ガイド上の推奨として扱います。
「1種・2種・3種」と「スタイル1・2・0」は別体系
「1種」と「style 1」は、番号が同じでも同じ意味ではありません。1種・2種・3種は附属書JA側、style 1・style 2・style 0は本体側の呼称です。

本体側のstyleは、概念上、次のように整理できます。
| 本体側の呼称 | 概念 |
|---|---|
| style 1 | regular(標準的な高さの六角ナット) |
| style 2 | high(より高い六角ナット) |
| style 0 | thin(薄形の六角ナット) |
一方、附属書JA側の1種・2種・3種は、面取りと相対的な高さで整理できます。
| 附属書JA側の種類 | 面取り | 高さの考え方 |
|---|---|---|
| 1種 | 片面取り | 基準となる高さ |
| 2種 | 両面取り | 1種と同じ高さ |
| 3種 | 両面取り | 薄形 |
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したがって、「1種=style 1」「2種=style 2」「3種=style 0」と読み替えないことが重要です。
図面や現物を確認するときは、呼称、本体/附属書、面取り、高さ、呼び径・ピッチ、相手部品、置換・切替履歴を分けて見ます。
JIS B 1181の寸法は何を確認する?
六角ナットの寸法は、本体/附属書 → style/種類 → 呼び径・ピッチ → 必要な寸法項目の順で確認します。主要な記号では、mがナットの高さ、sが二面幅、eが対角距離です。

- 本体規格品か附属書品かを確定します。
- styleまたは種類を確定します。
- 呼び径とピッチを確定します。
- 必要な寸法項目を特定し、対象表で数値を確認します。
主要記号は次のとおりです。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| m | ナットの高さ |
| s | 二面幅 |
| e | 対角距離 |

例えば、図面に「M20」とだけ書かれていても、完成仕様は一意に決まりません。本体/附属書、style/種類、ピッチなどが未確定なら、どの寸法値を採用すべきか判断できないためです。
JIS B 1181の強度区分はどう読む?本体と附属書JBを分けて確認
強度区分は、ナットの機械的性能を区別する指標です。材質名や部品等級とは別に確認します。部品等級は、寸法・公差に関わる別の製品仕様軸として扱います。
本体規格品に関係する現行ISO側の具体例として、ISO 898-2:2022は鋼製ナットのTなし区分04・05・5・6・8・10・12を扱います。附属書JBでは4T・5T・6T・8T・10Tです。数字が似ていても、同じ数字だけで同等とは判断できません。
両体系の表記と読み方を並べると、次のようになります。
| 確認対象 | 現行ISO 898-2側の鋼製ナット | 附属書JB側 |
|---|---|---|
| 強度区分の表記 | 04・05・5・6・8・10・12 | 4T・5T・6T・8T・10T |
| 読み方 | 現行ISO側の鋼製ナットに関する具体例 | T付きで附属書側の体系を識別 |
| 同じ数字の扱い | 附属書側と数字だけで同等としない | 本体側と数字だけで同等としない |
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04・05・5・6・8・10・12をJIS B 1181:2014の全材質・全styleに一律適用することはできません。実際の製品では、材質、style、ねじ条件と、適用する機械的性質規格を特定します。
製品仕様を絞り込むときは、次の軸を分けて確認します。
| 仕様軸 | 確認すること |
|---|---|
| 強度区分 | どの機械的性能区分を指定しているか |
| 材質 | 鋼、ステンレス鋼、非鉄金属など、どの材料系か |
| 部品等級 | 寸法・公差に関わる製品仕様として何が指定されているか |
| ねじ条件 | 呼び径、ピッチなどが何か |
| style/種類 | 本体側か附属書側か、どの形状体系か |
| 相手ボルト | ボルト側の強度やねじ条件と組合せが成立するか |
必要な保証荷重や硬さなどの具体値は、対象となる正式な機械的性質規格で確認します。
材質が変わると何を確認し直す?
JIS B 1181:2014は、鋼、ステンレス鋼、非鉄金属の六角ナットを対象に含みます。材質が変わったときは、材質名だけで性能を決めず、関連する仕様を確認し直します。
材料カテゴリごとに、併せて確認する主な項目は次のとおりです。
| 材料カテゴリ | 併せて確認する主な項目 |
|---|---|
| 鋼 | 強度区分、表面処理、ねじ条件、style/種類、相手ボルト |
| ステンレス鋼 | 強度の体系、ねじ条件、style/種類、使用環境、相手部品 |
| 非鉄金属 | 適用する材料・強度条件、ねじ条件、style/種類、使用環境 |
材質は重要な条件の一つですが、強度区分や形状体系の代わりにはなりません。
六角低ナットと3種は同じものではない
本体側のstyle 0(thin nut)と附属書側の3種には、どちらも薄形という共通点があります。ただし、同一仕様ではありません。
所属する体系と位置づけを並べると、違いは次のとおりです。
| 比較項目 | style 0 | 附属書3種 |
|---|---|---|
| 所属 | 本体側 | 附属書側 |
| 位置づけ | thin、薄形 | 1種・2種より薄い附属書側の種類 |
| 面取り・形状 | 本体側のstyle 0として確認 | 両面取り・薄形として確認 |
| 実務上の注意 | 薄形ナットとして負荷能力にも注意 | style 0と同一仕様として置換しない |
スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。
薄形という外観の近さだけでは、置換してよいかを判断できません。
注意
ISOの現行情報では、thin nutは通常の高さのナットより負荷能力に注意が必要なものとして扱われています。この補助情報をJIS B 1181:2014の具体的な要求値へ読み替えず、対象製品の適用規格を確認してください。
設計・品質・調達で次に確認すること
JIS B 1181を実務で使うときは、担当ごとに着眼点を分けると確認しやすくなります。
担当別の主な確認事項と次の行動は、次のとおりです。
| 担当 | 主な確認事項 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 設計 | 本体/附属書、style/種類、呼び径・ピッチ、強度、材質、相手ボルト | 図面・部品表・仕様書で曖昧な呼称だけになっていないか確認 |
| 品質保証 | 図面要求と受入基準の対応、現物表示、寸法・強度・材質の証跡 | 受入時に照合する規格体系と仕様軸を明確化 |
| 調達 | 発注仕様、本体/附属書、互換性、材料・表面処理、置換条件 | サプライヤーへ規格番号だけでなく必要な仕様軸を明示 |
| 生産技術・製造 | 使用部位、相手部品、組付け条件、置換可否 | 似た外観品を取り違えない識別方法を決める |
スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。
担当をまたいで照合するときは、次の順に分解すると整理しやすくなります。
- 本体規格品か附属書品かを確定する。
- styleまたは種類を確定する。
- 呼び径・ピッチを確定する。
- 強度区分、材質、部品等級、表面処理を分けて確認する。
- 相手ボルトや既存部品との組合せを確認する。
- 必要な個別寸法、公差、保証荷重等を正式な規格票・適用規格で確認する。
JIS B 1181の公式情報・対応ISOを確認する
JIS B 1181の版・状態・正式名称は、日本規格協会(JSA)の個別ページで確認できます。規格の閲覧は、日本産業標準調査会(JISC)の「JIS検索」から公式の閲覧経路へ進みます。
公式ページで確認できる主な項目は、次のとおりです。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 現行表示 | JIS B 1181:2014 |
| 正式名称 | 六角ナット |
| 状態 | 有効 |
| 発行日 | 2014-04-21 |
| 直近の確認日 | 2019-10-21 |
| ICS | 21.060.20 |
2019-10-21は、JSAに表示される直近の確認日です。JIS B 1181の年版が2019という意味ではありません。現行表示はJIS B 1181:2014です。
また、JIS B 1181:2014が対応国際規格として挙げるISO規格群は2012年版です。その後、ISO側では2023年版へ更新された規格や、2012年版が廃止された規格があります。JIS B 1181:2014が対応したISO年版と、現在のISO側の版・状態は分けて確認してください。
まとめ
JIS B 1181を実務で読むときは、次の順で整理すると混同を減らせます。
- 最初に、本体規格品か附属書品かを分ける。
- 本体側のstyle 1 / 2 / 0と、附属書側の1種・2種・3種を同じ分類として扱わない。
- 寸法は、体系、style/種類、呼び径・ピッチを確定してから確認する。
- 強度区分、材質、部品等級、表面処理を別々に確認する。
- 個別の寸法、公差、保証荷重等は、対象仕様を絞ったうえで正式規格へ戻る。
JIS B 1181は、単に「六角ナットの寸法を見る規格」と捉えるより、どの六角ナット体系を扱っているかを先に見分ける入口として読むと、図面・調達・受入時の誤解を減らしやすくなります。
公式情報・参考資料
公式情報
- 日本規格協会「JIS B 1181:2014 六角ナット」 現行表示、正式名称、状態、ICS、発行・確認情報を確認できます。
- 日本産業標準調査会「データベース検索-JIS検索」 JIS番号から公式の閲覧経路へ進む入口です。
- 日本産業標準調査会「JISの入手閲覧方法」 閲覧・入手方法を説明しています。
- ISO「ISO 898-2:2022 Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel — Part 2: Nuts with specified property classes」 鋼製ナットの現行ISO側の強度区分を確認できます。
- ISO「ISO/TC 2/SC 12 catalogue」 JISが対応した年版と、現在のISO側の状態を分けて確認できます。
補足資料
- 日本ねじ工業協会「JIS規格品への切替ガイド」 附属書品から本体規格品への切替に関する業界ガイドです。
- 日本ねじ研究協会「JIS B 1180及びJIS B 1181におけるJISとしての附属書(規定)の廃止理由及び規定内容の移行に関する注意事項」 将来改正で附属書を廃止する方針を示した資料です。
※本記事の内容と参考資料の確認状況は、記事の公開時点のものです。規格の版・状態や改正動向、リンク先の内容は変わることがあります。実務では最新の正式な規格票と適用条件を確認してください。本記事はJIS規格に関する一般的な解説であり、規格票の代替や個別製品の適合・認証・契約・法的判断を行うものではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。
